田んぼの草取り
田植えのあと、植えた苗が根づいたころを見計らって、草取りをします。
さっそく、田んぼに潜むいろんな草の種が発芽をし、ぐんぐん成長するのです。
草がしっかり根をつける前に、写真の道具を引っ張って、草取りをします。
野球部がグランド整備のために使うトンボのようなこれ、写真では横に走る棒しか見えていませんが、この2メートルの棒に、30センチほどのチェーンが、棒に垂直に約60本ほどぶら下がっています。
そのチェーンが田んぼの泥をかすっていくことで、発芽したての草がかきとられ、水面に浮いて、やがて枯れていくのです。
田んぼ全面をこのチェーンを引いて歩きます。また数日すると新たな草の種が発芽するため、数日おいてまた引いて歩きます。
この手作りの草取りチェーン、どのくらいの重さだろう。10キロ近くあるのではないでしょうか。
しかし、そうやっても、次の草、また次の草が芽を出し、みるみる成長していくので、これでよしということはありません。
草取りの序章…かな。
昔の人は、手で、草取りをしていたと聞きます。炎天下、中腰で、広ーい田んぼを。
私は農業の研修でお世話になったところで、最初の仕事が、田んぼの草取りでした。
しかも手作業で。来る日も来る日も、1つの田んぼですら終わりの見えない単調な重労働。
やっと1つの田んぼが終わるという頃には、最初の方に取ったところにはびっしりと次の草が生えている。
大変な根気のいる作業のわりに、感じられない達成感。
一緒に作業をしたおばちゃんたちが、軽やかにスピーディーに、要領よくこなしていくのを見て、人間の底力を感じたのを覚えています。
そして「除草剤」が世に出たとき、ほんとに魔法みたいだったろうな、と思います。
よし!私も手作業で頑張ろう!とは到底思いきれませんが、今のわたしたちにできる、除草剤を使わないお米作りを模索していきたいと思います。